キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


「刹那のは、ここ」


碧音はいくら皐月の財布だからって、勝手に人の金を使うような奴じゃないことは明白。


だから買い物ではないはず。


「偶然友達と会って話し込んでるのかも知れねえな」


「人の財布持ったまま?そういうとこ、ちゃんとしてるじゃん刹那」


星渚の鋭い質問には、言葉を詰まらせる。皐月も分かってる、その確率は低いと。


碧音の携帯に電話しても繋がらない。気づいてないだけなのか、それとも電話に出られない状況なのか。


あらゆる可能性を頭の中で挙げていると、星渚の携帯がブーブーブー、振動した。


「……刹那だ、メール。ごめん、用事が出来たから遅れる。ライブ前には戻るから、だって」


メールを読み上げた星渚の顔は、碧音から連絡がきてホッとしたものではない。それは俺も、皐月も。


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