キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
碧音のことだ、遅れることは1100%ないと思う――でも、今の状況を考えると可能性を捨てきれない。
「今から刹那に電話する。もしこれに応答がなかったら探すってことでオッケー?」
「ったく、碧音の奴」
「出てくれたらいいな」
星渚が電話をかける、1回目。
ツー、ツー、ツー。
「ダメ、出ない」
少し間をおいて2回目もかけたけど『出ない』溜め息と共に吐き出し、星渚の顔つきが変わった。
「探しますか。ライブハウス内は俺、皐月と藍は外」
「見つけたら連絡すっから」
控え室を出て、各々の方向に散らばった。