キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】




「どこ行きやがった、碧音」


一度足を止め、携帯でメールか電話がきてないか確認しても知らせはない。


ライブハウスの周りにある建物は会社がフロアごとに入ってるビルに銀行、居酒屋程度で碧音が行く場所じゃねえ。


何やってんのかね、あいつは。


舌打ちと溜め息ばかりが溢れる。俺らのライブの時間も結構近づいてきた、だから嫌でも焦ってしまう。


心配かけんな、まじで。


怒んねえから、俺達の電話無視したことは水に流してやるから。今すぐ戻ってこいよ。


用事の内容を一言伝えてくれれば良かっただろ。


範囲を広げて暗がりの中碧音を探す。1人で歩いてる、全体的に華奢な男がいて近寄ったけどそれは碧音じゃなかった。


ちげえのかよ、紛らわしい。

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