キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
3人で控室室から離れる。
「出番は終わったからいいとして、このあとどうすりゃいいんだよ。碧音から連絡ねぇし」
「もう一回、この建物の中探すのはどうだ?」
「俺もそう考えてた。このフロア周辺じゃなくて、上から下まで全部。手分けするんじゃなくて3人でさ」
「その方が確実、か。……よし、行こうぜ」
頷いて、最上階の6階まで階段でのぼる。このフロアには普通に会社が入ってるっぽいけどこの時間帯は誰もいない。会社の中までは入れないけどその周囲を探す。
「刹那!」
「碧音ー!いたら返事しろ!」
呼びかけつつスマホのライトで照らしながら何か手掛かりはないかと確かめる。
「……ダメだ、下の階におりよう」
藍に続いて今度は5階を捜索するもやっぱりピアスが落ちてるだとか携帯が落ちてるだとか、何もなし。
そうやって4階、3階、と順々におりていく。