キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「お前らこれでもまだ言い逃れするなんてこと、しねぇよな!」
皐月が声をあらげる。BLACKが俺達にライブ前挨拶をしてきたことを思い出した。
そもそも、何故今までだって何回もライブで一緒だったのに今更そんなことをしてきたのか。
『midnightのライブ、楽しみにしています』これは俺達がライブを2人でやらなければいけなくなった状況のことを分かっていたうえで言っていたとしたら。
碧音の携帯でメールを送ってきたのはBLACKだとしたら。
答えは1つしかない。
「あーぁ」
人当たりのいい顔がガラリ、ついに崩れた。
「バレちゃいました?」
ねっとりとした声に耳を塞ぎたくなる。
「あんたらの本性は、“こっち”かよ」
皐月が鋭い目つきで睨む。でもBLACKの奴らは動じない。
「……刹那はどこ、刹那に何をした?」
「知りませ……がっ!」
ドンッ!素早い動きでリーダーの男の首を締め上げた。
「その手を離せ!」