キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
BLACKの4人を捕らえたまま階段を上がって関係者以外立ち入り禁止のドアから外にでる。
何故か派手に抵抗することなく従う4人に違和感をもつ。
「靴が汚れてるってことは、昨日雨が降ってまだ土が乾ききってないぬかるんでる場所だな」
「この辺りでそんな場所ってどこだ?」
藍の言葉に皐月が眉を寄せ、険しい顔をする。
「しかも、刹那が計画に合ってたって、俺達じゃ逃げられる可能性が高い場所」
どこだ。きっと様子を見にいけるように、自分達の手が届く範囲のところにしてるはず。近場で、殆ど人が来ないような場所で、刹那を狙った理由も考えると。
「……待てよ」
皐月がハッとした顔をした。
「この敷地の奥の方に、ちっさな物置小屋みたいなやつあったよな?何に使ってるのか知らねぇけど、まわりは土だったような」
「そんなやつあったか?俺は見たことないぞ」
藍と同じように俺もそんな物置小屋があるなんて知らなかった。
「俺も前にチラッと遠くから見たくらいだったけど、あり得るんじゃね」