キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】

意見がぶつかり合うのは主にこの2人で、さっきも何かケンカしてたっけ。しかしこんな時仲裁してくれるのが、藍さん。


藍さんが2人の意見を上手く纏めて解決に導くのも、いつものパターン。影の纏め役といったところだろうか。


「……ん、確かに。藍の言うやり方で通してみよ」


「おっしゃ!」


気合いをもう一度注入するために皐月はパンッ、手を叩く。改善した演奏で通すのか。


碧音君の歌は何度聞いても飽きないし、皐月のノリノリで弾いてる姿はこっちまで頬が緩むな。


藍さんは周りを見つつ、全体の雰囲気を崩さぬよう演奏。星渚さんの複雑かつ格好良いリズムが曲の基盤となるのだ。


碧音君、気づいてるだろうか。


曲も中盤になり盛り上がってきたところで、楽しさが隠しきれてなくてたまに口角が上がっていることに。


よく言い合いしてる碧音君と皐月の息がピッタリ合っていてズレがないのも、面白いよね。


4人が醸し出す独特の雰囲気に今日もまた、思う存分酔いしれるのだった。
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