キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「おばさん」
「あらあら?!皐月君じゃなーい。玄関に碧音のじゃない靴があって、友達なのかしらって思ってたけど。皐月くんだったのねえ」
「昨日の夜から泊めてもらったんす。言うの遅れてすみません」
「いいのよー。気にしないで。そうだ、朝食食べてくでしょ?」
「いいんすか?」
「勿論!碧音も起こしてきてくれる?」
「碧音、起こそうとしたんすけどダメで。疲れたんですかね。もうちょっとしたら起きると思います」
今碧音を起こすのは忍びないから、適当に言っておく。
「碧音は本当、寝起き悪いんだから。じゃあ、皐月君の分すぐ作ってあげるから」
「あざっす。あの、おじさんは?」
「仕事よ、仕事ー」
今日は日曜だというのに仕事って、大変だな。
着替えるため部屋に戻り布団も畳んでパッパと支度をし、おばさんのパンケーキをごちそうになった。