キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
パンケーキにヨーグルト、サラダ。こういうちゃんとした朝食はいつぶりだったっけ、と思いつつ皿を空にしていく。
「おばさん、ごちそう様!めっちゃうまかった」
「やだー嬉しいこと言うじゃない」
「いやまじでうまかったんですって」
「また食べにいらっしゃい。あ、確か今日もライブなのよね?それまで家でゆっくりしていって」
「はーい」
碧音の家は居心地がいい。昔から住んでたみたいに、あったけえんだよな。
おばさんと二、三言交わして電気もつけてなければカーテンも閉めたままの碧音の部屋へ。
勉強机の上にはギターに関する本が雑に積み重なっている。
どれも何度も読み返しているせいでボロボロになっていた。
勉強そっちのけで歌やギターのことばっかやってんじゃねえかと思うけど、本棚にはちゃんと問題集とか教科書が入れてあって、笑えた。