キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


パンケーキにヨーグルト、サラダ。こういうちゃんとした朝食はいつぶりだったっけ、と思いつつ皿を空にしていく。


「おばさん、ごちそう様!めっちゃうまかった」


「やだー嬉しいこと言うじゃない」


「いやまじでうまかったんですって」


「また食べにいらっしゃい。あ、確か今日もライブなのよね?それまで家でゆっくりしていって」


「はーい」


碧音の家は居心地がいい。昔から住んでたみたいに、あったけえんだよな。


おばさんと二、三言交わして電気もつけてなければカーテンも閉めたままの碧音の部屋へ。


勉強机の上にはギターに関する本が雑に積み重なっている。


どれも何度も読み返しているせいでボロボロになっていた。


勉強そっちのけで歌やギターのことばっかやってんじゃねえかと思うけど、本棚にはちゃんと問題集とか教科書が入れてあって、笑えた。


< 372 / 579 >

この作品をシェア

pagetop