キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
懐かしいなー、高校の授業。寝てばっかだったけど。
なんて昔の思い出に浸っていると後ろからモソリ、布の擦れる音が。起きたか。
「碧音、朝ですよー」
カーテンを開けて、部屋に朝日を取り込む。
「……あさ」
まだ頭がはっきりしないのか、ボーッとしている。
もしこの隙だらけの寝起きの顔を変態こと明日歌が見たら、カメラで連写する。
そして待ち受けにしたーって言う。アホだ。
「碧音、具合は?」
昨日の血の気を失った蒼白な顔よりもよくはなった気がするけど、まだ顔色がいいとは言えない。
「気分悪いとかねえ?」
「普通」
普通って何だよ。良くも悪くもないってことか。
「…………昨日の、ライブは?」
「昨日は俺と藍でやった。サプライズっつー設定にした。問題なく終了」