キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「狭いんだけど」
「碧音が端に寄れよ」
わざと碧音を端に追いやってくっつく。
「暑苦しい」
「ふかふかのベッドが俺を離してくれない」
「俺が離れさせてやるよ」
「ってえ!!蹴りやがった」
おかげでベッドから落ちる羽目に。お前容赦なく蹴んなよな。腰がいてえ。
「バカなの」
くすくす笑う碧音に、ホッとする。もしこれでリアクションもなく笑いもしなかったらゾッとした。
大丈夫じゃねえじゃんか、って説教するとこだったわ。
「じっと見つめてくんなよ」
「ばっ、見つめてねえし!」
物思いにふけってる最中、ずっと碧音の顔を見てたらしい。
碧音がベッドの上から目を細めて見下してきたから『顔にゴミがついてますよー』と嘘言って頬をつねってやる。
ついでにクシャクシャ頭を撫でた。
お前が俺達には必要なんだよ、そう意味を込めて。