キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「お前はいらないの」
碧音君は甘さ控えめチョコクッキーをサクサク食べながら、藍の方に目線を投げた。
「私は大丈夫!ありがとう」
さり気なく気を遣ってくれるところ、優しいよね。
「明日歌と碧音、テスト期間だったんだろ?結果はどうなんだよ」
「え!」
テストの結果、ですか。思わず顔が引きつった。なんて質問するんだ皐月!
「別に、普通ですよ?ぜ、全然普通」
「怪しすぎるから。赤点でも取ったんじゃねえのお前」
ニヤニヤする皐月に慌てて否定する。
「取ってないし!赤点は取ってない。……でも、理系の教科がよくなかったんだよね」
「なら分からないとこがあったら、俺に聞いて。今度教える」
「藍……っ!さすがジェントルマン」
藍ならちゃんと理解出来るまで丁寧に教えてくれそう。