キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


「高校の時の皐月の成績と今の私の成績比べたら、絶対私の方が上だよ!」


「根拠ねえだろ!」


根拠なら、と口を開きかけたところで『皐月』と藍が流れを止めた。


「皐月、時間は?」


「おっ。そうだった、もう行くわ」


「皐月帰るんだ、用事?」


時計を確認してバッグを肩にかけた皐月を見上げる。


「昔の友達と今から会う約束してんだ。3年ぶりに」


「3年って、結構会ってなかったんだね」


「お互い都合わなかったんだよ」


「約束通り会えることになってよかったね。いってらっしゃい」


「んー」


皐月はプレーン味のクッキーを2枚口に入れてから出かけて行った。


2種類いっきに食べたら味分かんなくなるよ、と思いつつも美味しそうに食べてくれた皐月にありがとうと言いたくなる。


今度差し入れする時は皐月にリクエストしてもらおう、なんて頭の片隅で思ったのだった。




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