キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


注意深く男の目、鼻、体つきを見てあ、と思わず口からこぼれる。男と目が合い数秒。


「……直人?」


「さ、つき?」


お互いの名前を確かめあうように呼んだのは、同時だった。


「おーっ直人?まじで本物の直人?!」


「本物の浅野直人だよ」


昔の雰囲気とは変わり、どこか上品な立ち振舞いや仕草。髪色も俺みたいに明るいものではなく黒々とした髪。


「3年以上経ってもお前は変わらないな、皐月」


「前より更に格好良くなったって言えよ」


「ばか、言わないし」


3年振りに会ったというのに妙な距離感もなく、普通に接することが出来た。


直人といると、いい意味で気が抜ける。


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