キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
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これから先も2人で楽しい毎日を過ごしていくんだろうな、って思っていたのに。
「……え?」
言ってる意味が分からないと聞き返す。
「だから、俺、引っ越す。中学卒業したら」
いつもみたいに俺の家でベースの雑誌を読んでいたら、信じられない言葉を投下された。
「引っ越すって……、まじで?」
「本気。父さんの仕事の関係と、俺の高校のために」
「ここの高校じゃいけないって言うのかよ」
「ここにある高校よりもっとレベル高い進学校に行かなくちゃいけなくてさ。全部授業は英語でやるんだって」
直人が、手の届かない遥か遠くへ行ってしまう気がした。
「本当なら中学だってそうなるはずだったんだけど、俺が我が儘言って中学まではここにいる、ってなってただけだから」
むしろ親に感謝しなきゃな、と無理して笑う直人にうまい言葉がかけられねえ。