キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



「一件落着、かな」


藍がやれやれといった顔で離れろいや離れないの押し問答をしてる2人に、視線を注ぐ。


「おかげで練習時間なくなったけどねぇ」


「星渚、そう言うなって」


藍が宥め役になるのはいつものこと。私が代わってあげたいけど、私に星渚さんを宥めるなんて出来るわけもなく。


「あの……皆さんにも感情的になって酷いこと言ってすみませんでした」


浅野さんが謝ると皆いいよと許した――碧音君を除いては。


「……やってらんない」


「碧音君?!」


乱雑にドアを開け1人地下室を出ていってしまった。


『私、追いかけます!』とだけ言い『あっ明日歌ちゃん!?』藍の焦った声を背に受け、急いで後を追った。




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