キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「おら、こっち来いよ」
「や、お父さっ」
「さっさと来いよ!」
ぐいっと強引に腕を引っ張られダン!!床に叩きつけられた。背中が、痛い。
「痛い目にあわないとー、お前はーぁ、やっちゃダメなことがー、分からないんですかぁ?」
「っ!いっ……」
言葉の区切りに合わせてドン、と重い蹴りを入れてくる。お父さんやめて。
「ごめ、んなさ………」
「もっとちゃんと謝らないとダメだろー?」
「ご、ごめんな、さい……っ」
「ごめんなさいもまともに言えない奴は、ちゃあんと反省するまで閉じ込めるからな」
――――閉じ込める。その台詞を聞いた瞬間サッと血の気が引いた。
嫌だ、それは嫌だ。けれどこんな願いはお父さんに届くわけもなく引きずられ部屋の押し入れに押し込まれた。
強く腕を掴まれ『離して、痛い』訴えても聞く耳をもってくれなくて。視界が、体が、暗闇に飲み込まれていく。