キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「困ったことがあったらいつでも相談に乗るからねえ」
「ありがとうございます」
さっきから何でおばあさんは本題と関係のない話をずっとしているのか疑問だったけど、今分かった気がする。
多分、家の中の様子を観察してるんだ。
目線は殆どお母さんに向けられているけど、たまにチラチラ中の様子を窺っている。不審な点はないか探してるんじゃないか。
おばあさんはお母さんのことを信用してないと、思う。
子供の俺にはその理由が掴み切れないけれど。
「ねぇ、僕?」
「…………?」
急におばあさんの目がこっちに向いて、話しかけられた。
「毎日お父さんが遊んでくれて、楽しい?」
「……、ぁ……」