キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「2人でですか?」
「それは遊園地に着いてからのお楽しみよ」
ええ……、なんて自由な人なんだ。けど香澄さんが一度決めたことは覆さない性格なのは知ってるから、今抵抗したところでどうにもならない。
天気も秋晴れ、『雨が降りそうだから止めましょう』とも言えず。
人と人の間を縫って進んでいきあれよあれよという間に遊園地の入り口付近までたどり着いてしまった。
家族や恋人、友達と来てる人達で休日の遊園地は賑わっていて。
「えーっと、どこにいるのかしら……。あ、いたいた!」
香澄さんの視線の先を追うと、そこには碧音君と皐月がいたのだ。2人共、目を惹く容姿だから周囲からの視線を集めまくってる。
「碧音、皐月!お待たせ」
「おはよ、香澄」
「おはよう碧音!」
2人と合流した途端ぱっと私の手を離して碧音君のもとへ駆け寄っていく。
「香澄さん、この状況は何なんですか?」
「俺も香澄さんから連絡もらったんで来ましたけど、詳しく聞かせて欲しいっす」
何故碧音君と皐月がいるのか、そして藍と星渚さんはいないのか。
「本当は私と碧音だけでここに来る予定だったんだけど、せっかくだから皐月と明日歌も誘おうって提案したの」