キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


今乗ろうとしているフリーフォールは4人1組で座るからまだ香澄さんと碧音くんのイチャイチャ攻撃に耐えられる方だ。


いや、きっと2人はそこまでイチャついてるつもりはないんだろうけど、私にとってはそう見えるから仕方ない。


「何名様でのご利用ですか?」


「4人よ」


「はーい、では4名様右側のシートにお座りください!」


スタッフのお姉さんに案内されて、シートに座る。右から香澄さん、碧音君、私、皐月の順だ。碧音君と、隣。


「明日歌、やめるなら今だけど」


「あ、碧音君こそ腰が抜けて立てなくなっても知らないよ」


「そうなるのはお前でしょ」


「なりませんー」


碧音君は悪戯っ子のような笑みを浮かべ、からかってくる。そういう碧音君の表情に一々キュンとしてしまうのはどうしようもない。


そこでちょうどスタッフがスタートの合図。グン、グン、グンと途中まで上がって一旦止まった――と思ったらそこから一気に上昇。


「きゃー!すごい眺めね!」


香澄さんが景色を見てきゃっきゃと声を弾ませる。

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