キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「そりゃ、だ、いじょうぶに決まってるでしょ」
「膝が笑ってるけど」
「私だって、まさかここまでとは思わなかったんだもん!想像してたレベルと違ってた」
意外と本格的でスリリングだったからもう、パニックで。
「休憩する?」
声色がほんの少し変わり、真面目に碧音君は気にかけてくれてるんだと分かる。
「ううん、平気。次のアトラクション乗ろう」
「そ?ならいいけど。無理すんなよ」
「碧音!次はあれ乗りましょう」
「ん。いいよ」
あっという間に碧音君は香澄さんに腕を絡められ、連れて行かれてしまった。碧音君と話ができて、おまけに心配までしてくれたから気分は上昇していたけれどすぐに元通り。単純ですね、自分。
本当、些細なことでテンション上がっちゃって現実を突きつけられた途端このザマとは。
もんもんとした思いを抱えたまま次のアトラクションに乗り、間髪入れずバイキング、3Dの体験型トラクションも制覇。
きっちりアトラクションに乗って、端から見れば十分満喫しているように見えるだろう。でもね、違うんです。心は荒れ模様なんですよ。
「やっぱ、あの逆方向に進むジェットコースターも乗るべきだって」
「えー!嫌よ、あれは嫌!逆方向に進みながら360度回転なんて」
「楽しそうだけど」