キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
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今日の練習を終えてそれぞれまた別の目的地へ向かう。
「なあ、碧音」
ギターを背負って少し俺の前を歩く碧音を呼び止めた。
「ん?」
見返り美人ならぬ見返り美男子。振り返ったその横顔だけで様になってるってどういうことだよ。
「……俺さ。お前に言っておかなきゃいけないことがあって」
さすがに今回はふざけない、真面目に話したいから。その意図を察してくれたのか碧音もちゃんと向き合ってくれる。
「お前。明日歌のこと、どう思ってる?」
「何でそんな話」
「今話さないと、ダメな気がするから」
全てが動き出してる。立ち止まってる時間はない。
「俺にとって明日歌は……midnightのファンで、仲間で。うん、仲間」
「本当に?」
「そうだよ、だって俺が、ずっと好きだったのは—―――」