キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
言わずもがな、『ごちそーさん!』と1番早く完食したのは皐月。
「藍さん、片付けは私がやるので練習していてください」
「ほんと?」
皐月よりも直ぐに席を立ち、お皿をスポンジで洗おうとしていた藍さんを止める。
「明日歌ちゃん、家政婦に向いてんじゃない?」
「家政婦ですか?初めて言われました」
星渚さんにも『将来は家政婦か~似合う』なんて、冗談を言われる。
「俺はお前みてえな家政婦、間違っても雇わねえ」
「あははっ、大丈夫ですよ私も皐月のとこで働きたいとは思いませんから」
「お口が達者なようですね?ん?敬語だと余計ムカつくわ」
「い、いひゃっ」
皐月が意地の悪い笑みを顔に張り付け、いきなり私の頬を引っ張ってきた。痛いから!手加減なしで全力だよね?
「す、すみはへん」
びよーん、頬を伸ばされた状態で喋っても上手く言えない。
「明日歌ちゃん、こっち向いて。写メ撮って菜流に送るから」
「ふさけないでくははい」
いや、前に言われた『Twitterに画像載せていい?』発言よりはましかもしれないけども。
「ふっ、皐月止めてあげな。透歌ちゃん女子なんだから」
藍さん、口ではちゃんと注意してますけど、絶対笑いこらえてますよね。