キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


言わずもがな、『ごちそーさん!』と1番早く完食したのは皐月。


「藍さん、片付けは私がやるので練習していてください」


「ほんと?」


皐月よりも直ぐに席を立ち、お皿をスポンジで洗おうとしていた藍さんを止める。


「明日歌ちゃん、家政婦に向いてんじゃない?」


「家政婦ですか?初めて言われました」


星渚さんにも『将来は家政婦か~似合う』なんて、冗談を言われる。


「俺はお前みてえな家政婦、間違っても雇わねえ」


「あははっ、大丈夫ですよ私も皐月のとこで働きたいとは思いませんから」


「お口が達者なようですね?ん?敬語だと余計ムカつくわ」


「い、いひゃっ」


皐月が意地の悪い笑みを顔に張り付け、いきなり私の頬を引っ張ってきた。痛いから!手加減なしで全力だよね?


「す、すみはへん」


びよーん、頬を伸ばされた状態で喋っても上手く言えない。


「明日歌ちゃん、こっち向いて。写メ撮って菜流に送るから」


「ふさけないでくははい」


いや、前に言われた『Twitterに画像載せていい?』発言よりはましかもしれないけども。


「ふっ、皐月止めてあげな。透歌ちゃん女子なんだから」


藍さん、口ではちゃんと注意してますけど、絶対笑いこらえてますよね。


< 55 / 579 >

この作品をシェア

pagetop