キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「ごめんなさい、藍さん。私としたことが。反省してます」
「急に真面目ぶったって無意味だろ」
こんな私と皐月を見て藍さんは『兄妹みたいだね』クスリ、微笑んでいた。私も皐月もこんなやつと兄妹なんてごめんだと火花を散らす。
「練習再開するよー?皐月、準備」
「分かってるって」
星渚さんが声をかけ、皆さっきの位置に戻り練習開始。私も大人しく椅子に座った。
やっぱり皆オンオフの切り換えが早くて吃驚する。だってもう真剣な眼差しで、笑顔はないのだから。
長机に置いてある楽譜にはシャーペンで沢山線や言葉が書き込まれていて、傾ける情熱に尊敬するしかない。
多分これは碧音君のだな。ギターの楽譜を前に見せてもらったことがある。
演奏しているのはSPIDERのtrickで、敢えて不協和音が混じっているところがクセになる曲。
私も好きだ。この曲でライブしてる姿を想像しながら聞き入った。
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「藍さんは泊まっていかないんですか?」