キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
その様子に星渚さんはくすりと含みのある笑みを溢し、私にも意味あり気な視線を送ってきた。
何を期待してるんだか。星渚さんは人をからかうのが好きだよね、なんて思いつつご飯を頬張った。
「あの。1つ、聞きたいことがあるんですけど」
「何?」
「皆さんは、藍さんと弟の関係について知ってる……んですよね?」
「知ってっけど。逆に何でお前が知ってんだよ?」
「スタジオで練習してた時、私藍さんを呼びに行ったじゃないですか。それで、言い合いになってるの見てしまって。藍さんに色々と、教えてもらいました」
説明すれば、納得した顔になる3人。
「よくやるよなぁー、藍も」
何処か関心するような声色の皐月。
「俺らも弟君には会ったっていうより、明日歌ちゃんと同じで見た方が多いかなぁ。藍の家とスタジオって近いじゃん?それで偶然出会したりしてさ。藍は2人で他愛ない話しようとするんだけど、弟は藍の顔を一瞥して終わり」
苦笑いして肩を竦める星渚さん。
「そのくせ、藍がいないと俺達の前では人畜無害そうな顔して軽く頭下げてくんだよ、あいつ」
ええぇ、本当に藍さんの弟ですかとやはり聞きたくなってしまう話だ。
「藍さんは昔から仲が悪いって言ってました。でも、昔に比べたら皐月達から見てもマシになってきているんですか?」