キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「ん?ああ、昨日誰がどこで寝るかって話になってさ。碧音のベッドかリビングのソファか床に布団敷いて寝るか」
「またケンカでもしたんです?」
「俺は学習したからここはあみだくじで決めようってことになったんだよ」
「ほう」
「でな、厳正なるあみだの結果俺がベッドを勝ち取ったわけよ」
「皐月がベッドってことは、どっちが床に布団敷いて寝たんですか?碧音君?」
「俺じゃなくて、星渚」
なんと!あのじゃんけんやあみだとかの勝負おいてはいつも勝手そうな星渚さんだとは。
「それと皐月が腰が痛い理由とどんな関係が?」
ちらっと星渚さんを見てみるも飄々とした様子で雑誌に目を通している。
「目覚ましが鳴る前に、なーんか腰がイテェなって思って起きたら!俺が!床に落ちてたんだよ!でベッドに寝てたのが星渚」
「おお?!何してんですか星渚さん!」
「やっぱり俺もベッドで寝たくて、ちょっと狭いけど大丈夫かなって思って隙間にうまく入り込んだんだけど、いつのまにか蹴り飛ばして俺が占領しちゃってたみたい」
「ごめんねテヘッ!なテンションで可愛く笑ってみせてますけどあみだの意味全くないですね?!せっかく皐月がじゃんけん弱いことを学習したのに無意味でしたね」
「星渚ってそういうとこあるからまじで俺ソファでよかった」
何となくこういう展開になることが読めていたのか、碧音君はサラッと回避したみたいだ。