キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



「今日はちゃんと皐月がベッドで寝て、星渚は敷布団を使うこと。分かったな?」


藍さんが食後のコーヒーを一口喉に流し込みつつ、最も正解である提案をした。


「俺は何だっていいけど」


「皐月ぃ、藍に感謝しなよ」


「お前“俺が一歩引いてやる”みたいな顔すんな!」


元気だなあ、本当。戯れてる皆を見て、つられて笑ってしまう。その様子を視界の端に入れながら最後の食器を片付け終わる、と。


ピンポーン、ピンポーン。


「誰ですかね?」


来客を知らせるチャイムの音に、玄関の方に視線が注がれる。


「俺が行く」


重い腰を上げ、玄関に向かった碧音君。できれば、今の無表情を愛想笑いに変えて相手に接した方がいいと思われます。


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