キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「配達?」
「叔母さん達がお土産だけ先に送ってきたのかも」
「グアムっつったら何だろうな?」
星渚さん、藍さんに皐月が色々と予測しているけれど、数十秒後に現れたのは。
「っ星渚ー!!会いたかったぁ」
「菜流!」
バンッ、スライドドアを勢いよく開けて私には目もくれず、星渚さんに抱きついた菜流。え?え、な、何故菜流がいるの?
恐らくこの場にいる本人を除いた全員、疑問に思ったに違いない。
皐月も藍さんも珍しくきょとん、としていて。戻ってきた碧音君は明らさまに『こいつか…』と、顔に出ている。
「本当はね?星渚がいなくても3日くらい我慢しようとしたんだよ。でも……、やっぱり寂しくなっちゃって」
「そんなの俺も同じだよ。会いたかった、菜流」
感動的なドラマのエンディングでも、BGMとして流れてきそうな2人の空間。
菜流が潤んだ瞳でひしっと抱きつき、星渚さんも嬉々とした表情で抱きしめ返している。……この疎外感はどうしたらいいんだ。
私達は2人にとったら、もはや空気同然と化した。
「星渚と1回も話さないで終わる日が続くなんて、耐えられないもん」
「そのために会えない時は電話してるじゃん」
「ダメ。ちゃんと、直接話さないと」
「……菜流可愛い」