キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


バカップルがいる。どうしようもないバカップルがいます助けて。


「星渚、ご飯食べてる?しっかり寝てる?私心……ぱ……明日歌?!」


「やっと気づいてもらえた」


良かった。いつまで空気と同化していればいいのかなって思ってた。虚しかった。菜流は大きな目をパチパチさせて、私に詰め寄る。


「明日歌、何してんの?めっちゃ馴染んでるけど」


「合宿中皆のご飯作りに来てるんだよ。その分、演奏聞かせてもらってるんだ」


簡潔にポイントをかい摘んで説明すると、『明日歌がご飯作ってるなら、安心だね』嬉しいことを言ってくれた。


「菜流こそ、碧音君の家知ってたんだ?」


「ん~一回通り過ぎたことはあったし星渚から教えてもらってたから」


「日に日に酷くなってるブラコンをどうにかした方がいいんじゃねまじで」


「皐月ってば、久しぶりに会ったのに第一声がそれ?」


「言いたくもなるだろ!」


今回は皐月と同感である。


「あれ。菜流、髪型変えた?」


「そう。可愛いでしょ」


藍さんの言葉に声を弾ませ、くるり、1回転してみせた。髪が綺麗に靡く。


「藍より俺が先に分かったけどね」


意地を張る必要ないよね、星渚さん。

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