キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「聞く側の意見も大事だっつーことだよ!俺らじゃ決めらんねえんだから」
「うん、それにしよ!明日歌ちゃん決めて」
「気楽に答えてくれて良いから。誰も明日歌ちゃんを責めない」
藍さんは気楽にと言うけれど、結構重要だよね!
「本当に、ほんっとうに私が決めても大丈夫ですか……?」
「大丈夫だっつってんじゃん。どっち」
イライラした様子で碧音君が追い打ちをかけてくる。
睡眠不足でストレス溜まってるもんね!カルシウム摂らなきゃダメだよ碧音君!
くだらないことを考え現実逃避しようとするも、『さあ、どっち?』という皆の視線で阻止された。
「じゃあ、それぞれのパターンを1回ずつ演奏してもらえませんか?楽譜だけじゃ分かりにくいし」
「それもそうだねー」
お疲れのところ申し訳ないけど、皆に星渚さんと碧音君のやりたいパターンと皐月と藍さんがやりたいパターンを演奏してもらう。
前者は曲の勢いを落とすことなく疾走感に溢れているが、後者は一度サビ前でスローテンポになってから、一気にサビで再び盛り上げるという感じ。
どちらのパターンもアリかな、と思えるけど。