キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


藍さんって、どうしてそんなに謙虚なんだろう。皐月と星渚さんも見習ったらいい。


「つーかさあ、そろそろお前敬語止めね?」


「え!」


会話の流れを無視して全く関係のない話題を投下してきた皐月。考えたことは何でも口にするタイプ。


「俺も思った。さん付けって変な感じするんだよねえ」


「でも、私年下ですし」


「年上の言うことに従えよ」


出た皐月の俺様発言。しかも私の方が床に座っていて見下ろされるから、余計威圧感がある。


「初めて会った時、俺達にいつか敬語止めますねって言ってたよね。今じゃない?」


そうだ、私藍さんに言ったんだった。


碧音君はというと『どっちでもいんじゃね?』というような表情で私を一瞥し、ご飯を食べ進める。


「呼び捨てでさ、1回呼んでみなよ?まずは俺から」


「…………星渚」


うわ、すごくこそばゆくて恥ずかしい。

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