朧咲夜ー番外篇ー【完】
「じゃあ、がんばって俺が説得しないとな。咲桜に無視されたら、在義さん泣きそうだ」
「がんばってください。私もがんばるから」
「ああ」
咲桜が流夜の胸に額を寄せて、流夜の手が咲桜の髪を撫でる。
「……流夜くん、今までどんなことしてたの?」
「まあ、今まで通りのことするために日本中駆けまわってたかな。ここに――城葉犯研にいると、どうしても咲桜のこと見たくなりそうだったから、むしろ一か所に居続けないようにしてた」
「……ごめんなさい?」
「そうじゃないって。……必要だったって思ってる。どうしたって咲桜以外は無理だって、思い知るために」
「……同じく」
「責めたかったら今のうちにどーぞ?」
「……ううん。さっきぶちまけちゃったし、もう大丈夫。それより、……ありがとう。帰って来てくれて」