朧咲夜ー番外篇ー【完】
流夜の仕事は、一応日曜定休なのだが、事件が起これば出なければいけない。
なので、休日出勤すれば平日に代休が出る。
咲桜は法律事務所の務めなので、同じように日曜定休。
土曜日は仕事の都合により出勤になったり休日になったりする。
夜々子は来年度から職場復帰だ。
在義は短期でまとまった休みを、何回か取るようにしたそうだ。
さすがに育休という長期の休みを取ることは無理だった。
「よく泣かないな」
咲桜の隣で柵に腕をついて流桜子を覗き込んで、流夜は呟いた。
赤ん坊はよく泣いているイメージがあったが、流桜子はあまり泣かない方のようだ。
夜泣きもしないと、夜々子が言っていた。
「でも元気だもんね? 流桜」
咲桜は妹の顔の前で小さなうさぎの人形をふりながら、ふにゃけた顔をしている。
「咲桜ちゃんもそうだったわよ? 誰が抱っこしても嫌がらないから、みんなに可愛い~って言われてたわ」