朧咲夜ー番外篇ー【完】
「………」
流夜、少しだけイラッと。
「そうだったの? 自分のことなんて憶えてないよ」
咲桜は笑って流すが、流夜は………
「まさか赤ちゃんの咲桜ちゃんまで見たかったんですか?」
「………」
夜々子に白い目で見られて、流夜はそっぽを向いた。
「さすがに犯罪のにおいがするわ。義理の息子だけど」
「夜々子さんに言われたことではない気がしますが」
娘が生まれようが、咲桜溺愛が変わらないのはこの人も、なのだ。
流夜は咲桜の存在が全肯定なだけだ。
未だに、咲桜以外はどうでもいい。