朧咲夜ー番外篇ー【完】
マナちゃんがぽつりと言ったから、僕は視線をマナちゃんに向けた。
「土左衛門って本当に気の毒よね……」
「………」
ここにも事件頭がいた。本当に年中仕事のことしか考えてないんだな。
ちなみにドザエモンって、水死体のことだから。
「担当する方も大変だよねえ」
僕はそんな言葉で応じる。
事故にしろ事件にしろ、水死体はその状態が凄まじいからね。
「吹雪、ケーキ食べたい」
「……今の会話から食いものの話になっていいの?」
正直、警察官だって苦手な人が多いものだよ。吐いちゃうよ。神経図太いなあ。
けど、そんなとこも承知な僕だ。
「ケーキなら食べるとこ用意してるから、お昼頃行こうか」