朧咲夜ー番外篇ー【完】


「……あんたと出かけるとこういう目に遭うの、八割は吹雪の所為な気がするわ……」


「そーかな? マナちゃんが可愛いからじゃない?」
 

まあ僕、見た目はマナちゃんに似てるって流夜たちには言われるから、パッと見、姉妹とか思われているんだよねえ。
 

なので過剰にいちゃついてみました。
 

そんなことをしているうちに、僕らを――マナちゃんを見ていた奴らは視線を逸らしていなくなった。


いつまでも見てんじゃねえと文句つけに行く直前のことだった。ざまあ。


「あ、一つ訊いてもいい?」


「あたしに?」


「流夜のこと。……どうして、咲桜ちゃんにしたの?」
 

流夜と咲桜ちゃんの偽婚約? 仮婚約? の発端はマナちゃんだ。


双方の事情を知っていたとはいえ……よくこんな縁組を考えたよね。


「なんとなく?」


「………」
 

……理由、それでいいの?


「咲桜ちゃんなら、流夜くんみたいなのも見捨てないかなーと思ったのよ」

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