朧咲夜ー番外篇ー【完】
「……でも、笑満の大事なことだから、私は笑満の方にいたい」
「咲桜……」
咲桜が真剣に言うと、笑満の声が感動に揺れた。
「笑満ちゃん、そこまでにしてね?」
「お前、大変だなあ」
笑満の何かを止めた遙音に、流夜が感心した声を出した。
笑満は以前、咲桜を王子様扱いしていたのだ。
遙音はそれに妬いて流夜に八つ当たりしたことがある。
笑満と付き合って以来、遙音の最大のライバルは咲桜だった。
笑満と遙音が付き合う前から、咲桜は流夜と恋人関係だったが。