朧咲夜ー番外篇ー【完】
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「咲桜、二人はいつ式をあげるのです?」
そう訊いてきたのは、箏子だった。
流夜の策謀によって箏子の本心を垣間見てから、咲桜は本人から厳しい態度だった理由を聞かされていた。
咲桜はもう、箏子に畏怖の感情は抱いていない。
ただ本当に、ずっと見守っていてくれたおばあちゃんなのだ。
夜々子が父と結婚した今、籍の上でもそう呼んでいい。……のだが。
「私たちは、在義父さんと夜々さんのあとです。赤ちゃんも生まれてから少ししてからの方がいいかなって」
「そうなのですか。ではまだ先になりますね。………」
「そうですね」
「……………」
「? 師匠?」
「――いえ、なんでもありません。それよりお前……」
「はい?」
「…………いえ、なんでもありません」
箏子にしては珍しくはっきりしない言い方をして、その日は会話を終えた。