朧咲夜ー番外篇ー【完】
「―――――」
「……丈は、お前に合っていると思います。好みは訊かずに作ってしまいましたが、流夜さんも在義も、夜々子も、お前にはこの形が良いと言うので――
「師匠! なんでこんなすごいものあるんですかーっ! びっくりし過ぎて心臓止まりました!」
「止まったんですか⁉ 止まりそうだったのではなく⁉」
箏子が仰天していた。
先に咲桜が仰天した理由は――箏子が見せたそこには、純白のウェディングドレスがあったのだ。
「……お前には、嫌な思いもさせてしまいましたからね。わたくしからの贖罪(しょくざい)です」
落ち着いた咲桜に、箏子が気恥ずかしそうに言う。