朧咲夜ー番外篇ー【完】
「母さん、咲桜ちゃんのお式がまだ先だって知って、なら自分が作るって言いだしたのよ。在義兄さんや流夜さんに、いくつも型紙見せて、どれがいいかって」
「夜々子!」
「ちゃんと言って置かないとまた誤解が生まれるわよ? さっきも薙刀でヘンな方向に話行きそうだったじゃない」
「っ……」
夜々子に言い負けた箏子。咲桜は隣の流夜を見上げた。
「うん。咲桜には、出来るまで秘密って念押されて。箏子さんなら、咲桜に一番似合うものを作ってくれると思ったから」
「~~~またはめられた~」
「咲桜、泣く前に言うこと、あるだろ?」
流夜に言われて、咲桜は箏子に向き直った。