朧咲夜ー番外篇ー【完】
「こことおばあちゃんっ、なおもおねえちゃんみたいなのきたいっ」
咲桜が『箏子おばあちゃん』と呼んでいるのを聞いて、流桜子もそう呼びたいようなのだが、まだ上手く呼べずに『こことおばあちゃん』になっている。
「あらあ。もう流桜もお嫁に行っちゃうの?」
「夜々子、少しフォローしてやれ」
在義の腕から流桜子を取ったのは龍生だった。
「りゅうせいおじちゃんっ」
「よお、流桜。お前のお父さんがダメージ喰らってるから、あと二十年くらい待ってから言ってやれ」
「………龍生」
凹んだ在義が、低い声で相棒の名を呼んだ。
ドアがノックされた。
「咲桜―、あたしたちも入ってもいいかなー?」
笑満の声だ。咲桜が首肯すると、笑満と遙音が入って来た。