朧咲夜ー番外篇ー【完】
二人は、運命じゃない。
それなら、
「……神様が、折れたのかな」
「あいつらに? かもしれないね。あんだけいちゃついてりゃ神様も呆れるよ」
遙音は、はっと呆れた笑いをもらした。
過去の流夜を知らない笑満としては、咲桜が女の子らしくなる人と出逢えてよかったなーという感覚だけだ。
咲桜は、色々と自分に我慢を強いて来たから。
でも、
「……あたしと出逢ったことは、運命であってほしいな」
「え? さ、咲桜と笑満ちゃん……が?」
言いながら顔色を悪くする遙音。笑満は心の中で苦笑した。
本当に遙音は、こういう発言には敏感だ。
そう言えば流夜も、『咲桜のことでは女にしか妬いたことがない』と言ってのけていた。
咲桜、あんた厄介な……むしろ奇怪な運命持ってるよね、ほんと。