朧咲夜ー番外篇ー【完】
「なんかしっかりした子だねー」
「頼が育ての親になっちゃったからね」
『説得力ある』
異口同音に返された。
るながきょろきょろしているので、咲桜は身を屈めた。
「るな、どうかした?」
「あの、なおちゃんはいないんですか?」
あ、と咲桜は思った。頼はちゃんと説明しなかったようだ……。
ものぐさは相変わらずか。
「うん、今日は私の友達の結婚式だから、流桜はいないんだ」
「……そうなんですか……」
目に見えてしょげるるな。
同い年なのもあってか、流桜子はるなの最初の友達だった。
「るな、今度、流桜と笑満とお出かけしよっか。頼には内緒で」
咲桜が口元に一本指を立てて言うと、るなはぱあっと顔を輝かせた。