朧咲夜ー番外篇ー【完】
……こうなってくると、向こうで在義と何やら話し込んでいるヤツに喧嘩を売りたくなる。
この子はわたくしの孫になる子なのに。
……以前にやり返された恨みもあるので、喧嘩は売りたいが負けるのも見えているので売りたくない。
なんと言うか……ここまで苦手な人種には初めて出逢った。
なんで咲桜があんな不安全な人間に惚れたのかがわからない箏子だ。
不安全で不安定で不完全。
不完全は当然のこととしても、ここまで輪郭の摑めない人間も初めてだ。
在義の仕事柄、そういった人間たちのことも少しは知っているつもりだったけど……ほんものはここまで、なのか。
しかもそれが在義側というのが衝撃だ。
在義、お前なんて人を娘に近づけたの。