朧咲夜ー番外篇ー【完】
5 結婚のしるし
「――で。ここへ来たかったわけだ」
車が停まったのは、小さな外観のお店だった。
「なんのお店?」
「ん。必要かなーと思って」
「なにが?」
「見てみればわかる」
何か楽しんでいるような眼差しで言われ、咲桜は表に廻って硝子の中を覗き込んだ。
「え―――」
「これ、買ったとことなんだよ」
と、流夜が咲桜の左手を取った。
それを聞いた咲桜、また真赤になる。
うう……顔が常に発熱している。
「要るだろう? 結婚指輪」