朧咲夜ー番外篇ー【完】
遙音は現在、龍生の許で暮らしていて、跡取り修行中だ。
「こんにちはー」
カウベルを鳴らすと、笑満と遙音の応答があった。
在義の娘と、龍生の息子とその彼女、として、咲桜や笑満の存在も、店では認めれて来た。
一人問題があるとすれば……。
「頼! 隠し撮りするな!」
遙音に怒られているもう一人の幼馴染、だろうか。
頼は、流夜以来やたらな行動力を示していないが、相変わらず写真がすきだ。
だが、あまり自分たちの証拠を残したくない人ばかりが利用している店なわけで。
ノリのいい人以外からは、白い目で見られている。
気にする頼ではない。
「咲桜、あたしから」
笑満がカウンターの中から出て来て、可愛い包みを渡してくれた。