朧咲夜ー番外篇ー【完】
「う……な、なに?」
恐る恐る答えると、頼が頭を下げた。
「俺と友達に戻ってください」
「さっきの今で⁉ ふゆちゃん何を言った⁉ そんで友達切られたの私の方だよね⁉」
咲桜が騒ぐが、吹雪はくすくすと笑みを噛み殺すだけだ。
「まあ……頼にも咲桜は切れないってことじゃない? ねえ? 笑満ちゃん」
「……あたしに振らないでください。二人の友情は複雑なんですから」
笑満の方こそ複雑な顔で応える。
「やっぱ俺、咲桜がいないと生きていけない」
「ど、どんだけ私重くなってるんだお前の中で! 勝手にヘンな格付けするな!」
「別に流夜くんから奪おうとかしないから」
「されるわけあるか!」
「咲桜のこと、親友として慕っていきたい」