朧咲夜ー番外篇ー【完】
「一応。聞いたわけじゃないけど、龍生さんもマナさんも、うちによく来てて、それを見てたらなんとなく」
と言うか、愛子は言葉にこそしないが、常に龍生に「すきすきすきー!」という態度全開でまとわりついていたから。
「まじで……? じゃあ親父と春芽さんが結婚する可能性もあんの……?」
「……あったら楽しいね」
「どこがだよ!」
うっそりと微笑んだ吹雪に、遙音が噛み付いた。
ふゆちゃん……泥沼を自分から作るんだからなあ。
けれど実際咲桜も、龍生と愛子が結ばれる、という想像はしたことはなかった。
……想像の限界値だったのだろうか。
「――って、まさか春芽さんと親父が結婚したら、春芽さんが俺の母親……?」
「あ、なら先輩と私が兄妹ですね。マナさんも私のお母さんだから」
「そ、それであたしが遙音くんと結婚したら、あたしと咲桜も姉妹になれるのかなっ?」
「……想像力逞し過ぎるなあ。若人め」
一か所も血縁関係のない家族が出来つつあった。