朧咲夜ー外伝ー【完】
愛子が勉強面はうるさかったから、成績はいい方だった。
特待生にもなれた。
天龍から離れて俺の目の前に迫ったのは、現実だった。
家族というものは血が繋がっているという、現実。
色々と――カルチャーショック? みたいなもんを受けた。
更に俺は交友関係が不器用だった。
記憶にある限り、親しくなれたのはりゅうとふゆだけで、小学校にあたる六年間は、分校の更に分校みたいなところで、俺たち三人しか生徒がいなかったんだ。
そのあとに五人ほど固まって新一年生になったから、なんとか分校は存続したらしいけど。
そんなんだから友達もうまく作れなかった。
てめえのダメさ加減を知ったときだ。