朧咲夜ー外伝ー【完】
腕を摑んでしまったので、絆は勢いにひかれて俺の方を向いた。
その瞳が芯になったような、凛然とした輝きの瞳は太陽みたいで。
儚くなんかない、しっかりした炎みたいなもんが、絆には見えた。
そしてそのまま『何すんの変態!』と、ビンタ喰らった。
往復だった。
あまりに痛すぎて、思わず手を離した。
絆はこれ幸いと走って出て行った。
――俺の二度目の運命は、このときだと俺は決めた。
あ、いや別に殴られることに目覚めたわけじゃないからね?
俺が『女の子』と認識するのはあの子だと、俺は決めたんだ。